std::visit
は通常、前述のPetty C++ - std::variant
と組み合わせて使用され、C++17 で導入されたstd::variant
内のデータを処理し、対応する操作を実行するために使用されます。
基本的な使用法#
std::visit
には 2 つの主要なパラメータが必要です。
-
visitor:variant 内のデータを処理するための呼び出し可能オブジェクト(ラムダ関数オブジェクト)です。
-
variants:1 つ以上の
std::variant
インスタンスです。
サンプル#
int main() {
// intまたはstd::stringを格納できるstd::variantを作成します。
std::variant<int, std::string> var;
// intの値をvariantに格納します。
var = 42;
// std::visitを使用してvariantの値を処理します。
std::visit([](auto&& arg) {
std::cout << "Value: " << arg << std::endl;
}, var);
// std::stringの値をvariantに格納します。
var = std::string("Hello, world!");
// 新しい値を処理するために再度std::visitを使用します。
std::visit([](auto&& arg) {
std::cout << "Value: " << arg << std::endl;
}, var);
return 0;
}
複数の variant#
複数の variant を処理する場合、visitor はすべての可能な型を処理できる必要があります。異なる型の組み合わせに対して visitor で分岐処理を行わない場合、visitor はすべての可能な型の組み合わせに対して異なる関数呼び出しロジックを生成します。複数の variant があり、各 variant が複数の型を含む場合、可能な型の組み合わせは指数関数的に増加します。
このような状況を避けるために、次の方法を使用してオーバーヘッドを削減できます:
- variant の型の数を減らす
std::monostate
を使用する //todo- 分岐を使用する
- ポリモーフィズムを使用する
template<typename T>
void process(const T& value) {
if constexpr (std::is_same_v<T, int>) {
std::cout << "Processing int: " << value << std::endl;
} else if constexpr (std::is_same_v<T, std::string>) {
std::cout << "Processing string: " << value << std::endl;
} else {
std::cout << "Processing other type" << std::endl;
}
}
if constexpr とテンプレート型推論を使用することで、コンパイラは一般的な型に対して特定のロジックを生成し、汎用的な処理では不要なコードを削減します。