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Petty C++ - 左辺値と右辺値

左値(Lvalue)#

左値は、メモリ内に明確な位置を持つオブジェクトを指し、アドレスを取得できます。言い換えれば、左値は代入演算子の左側に出現できる式です。例えば、変数、配列要素、ポインタの逆参照などが左値です。

特徴:

  1. アドレスを取得できる:左値式の結果はオブジェクトであり、アドレス演算子&を使用してそのオブジェクトのアドレスを取得できます。
  2. 持続性:左値が表すオブジェクトは、式の評価が終了した後も存在し続け、そのスコープを超えるか、明示的に破棄されるまで存在します。

例:

int x = 10;   
int *p = &x; 
*p = 20;     

右値(Rvalue)#

右値は、式の評価時に作成される一時的なオブジェクトを指し、通常は明確なメモリ位置を持たず、アドレスを取得できません。右値は通常、定数、一時オブジェクト、または戻り値です。

特徴:

  1. アドレスを取得できない:右値は固定のメモリ位置を持たないため、右値のアドレスを取得することはできません。
  2. 短命性:右値が表すオブジェクトは、式の評価が終了した後には存在しなくなります。

例:

int y = 5 + 3; 
int z = y * 2;  

右値参照の導入(Rvalue Reference)#

C++11 では、右値をより効率的に操作するために右値参照が導入されました。右値参照は&&を使用して宣言します。右値をより効率的にキャッチして操作することを可能にし、不必要なコピーや移動操作を減らします。

右値参照の応用:

  1. ムーブセマンティクス(Move Semantics):ムーブコンストラクタとムーブ代入演算子を使用することで、リソースの所有権を移転することができ、リソースをコピーするのではなく、移動できます。
  2. パーフェクトフォワーディング(Perfect Forwarding):テンプレート関数内で右値参照とstd::forwardを使用することで、引数の完璧な転送を実現できます。

例:

class A {
public:
    A() { std::cout << "Constructor" << std::endl; }
    A(const A&) { std::cout << "Copy Constructor" << std::endl; }
    A(A&&) { std::cout << "Move Constructor" << std::endl; }
};

void foo(A&& a) {
    A b = std::move(a);  // ムーブコンストラクタが呼び出される
}

int main() {
    A a;
    foo(std::move(a));  // aを右値参照に変換
    return 0;
}

std::move(a)は左値aを右値参照に変換し、コピーコンストラクタではなくAのムーブコンストラクタを呼び出すことで、不必要なコピーを減らし、効率を向上させます。

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